A family history of true passion.
過去220年で世界は大きく変わった。しかしジムビームは、当時と何も変わっていないと胸を張って言える。220年の長きに渡って、常にケンタッキーストレートバーボンウイスキーの完成を目指してきた。ジムビームの秘伝のレシピと製法について触れる。
Go with the grain.
トウモロコシ(少なくとも51%以上)とライ麦、そして大麦を混ぜてつくるモルト、穀物の混合レシピ、マッシュビルについて。ジムビームでは、1万ガロンの糖化用マッシュタンを使い、その中に、石灰岩でろ過されたケンタッキーの水を注ぎ入れ、直前の蒸溜で使用したマッシュを40%を限度に加える。
加えるのはケンタッキーにしかない水。
これは、バーボンの製造プロセスにおける「サワーマッシュ」と呼ばれる工程で、バッチが変わっても同じ品質のジムビームをつくるために行われる。ここに特に良質なバーボンをつくることで有名な、純粋なケンタッキーの水を用いることで、独特な風味がつく。ケンタッキーは石灰岩の岩棚でできているため、そこを通る水は自然にろ過されていくことになる。こうしてできた鉄を一切含まずカルシウム豊富な水は、バーボンづくりに最適な水になる。世界のバーボンの95%以上が、ケンタッキーでつくられているのは、この水が理由かもしれない。
The secret is yeast.
「ジャグ・イースト」はビーム一族に代々受け継がれる酵母だ。禁酒法終了以来、ずっと同じ酵母株をバーボン製造プロセスで使用しているので、もう75年以上ということになる。だからこそ、ジムビームのバーボンのすべてのボトルが同品質だと保証できる。
すべてのバーボンには家宝が。
現在、世界中どこでも買うことのできるボトルには、昔から変わらない酵母が使用されている。しかし、酵母は非常に貴重であったため、ジム・ビーム本人が、週末になると保管のために自宅に持ち帰った。この伝統は7代目のディスティラーである、今日のフレッド・ノーにも伝えられている。タンク内に水差し酵母を入れ、それを挽いた穀物に加えると「貴婦人のイースト」ができる。そして糖化後の発酵工程で、この酵母を使用する。
The fine art of fermentation.
マッシュタンから発酵槽へと移し、温度を16~21度まで冷却してから、75年ものの酵母株を加える。酵母は次から次へとマッシュに含まれる糖を食べて、発酵槽を加熱することで、酵母菌はますます増えていく。
ビールからバーボンへの変化。
発酵によってマッシュの糖分がアルコールに変化していく。この過程でマッシュは「蒸溜したビール」に変化する。なぜビールか?見た目、匂い、そして味が濃いビールにそっくりだからだ。
Distilled twice for one smooth flavor.
「蒸溜したビール」 を、高さ約20メートルの蒸溜器であるコラムスチルへと移しかえる。そして48度ほどに加熱することで、沸騰せずに、アルコール分のみ蒸発させる。蒸気となったアルコールは再び液体に戻る。このローワイン(初溜液)の時点でアルコール分は62.5%もある。
2度目に魅力が引き出される。
コラムスチルから、ローワインが移動するのはポットスチル。形は似ているが大きさが2倍の蒸溜器で2度目の蒸溜を行う。集めた蒸気を凝縮して、いわゆるハイワインができる。この状態でアルコール分は80%以下となる。
Use NEW charred oak barrels.
蒸溜後、ハイワインを新たに焼き入れを行ったばかりのオーク樽に詰める。チャーの状態で最も理想とするのが、内部がまるでワニの皮膚(うろこ状)のようになるまで十分に焼いたもの。これを「アリゲーターチャー」と呼ぶ。
ストレートバーボンになるのに2年、ジムビームになるには4年。
1つの樽には、世界最上級のストレートバーボンウイスキーになっていく液体が、200リットル詰められる。そして詰め終わった樽は、風通しの良い丘の上に建つラックハウスに保管される。季節が変わるたびに、ケンタッキーの気候は樽材を伸縮させ、するとバーボンが樽に浸透し、アリゲーターチャーとなったオークからのカラメル糖がバーボンに風味と色をつける。バーボン製造プロセス全体を通して、200リットル分のバーボンのかなりの部分が蒸発して樽から消えて無くなる。これを「天使の分け前」または、「ブッカーの取り分」と呼んでいる。
Created according to family law.
ジムビームは、法律が必要とする2年の倍、少なくとも4年以上熟成させる。時間が経つにつれ、熟成によってまろやか、かつスムースなバーボンの味わいとして、世界中で多くの愛好家を楽しませる。